僕の心は雨のち晴れ

スクリーンショット

<基本情報>

ジャンル:感動・人間模様

キーワード:自殺

<あらすじ>

※ダウンロードページより

青空は続く、どこまでも―――

雲一つなく、限りなく無に近い青空を見つめる少年望月空は、過去に心を飛ばす。
ただ一人傍にいてほしいと思った少女の笑顔を繰り返し、自らの罪で心を殺す。
異常気象か天変地異か、もう一週間も快晴は続いていた。

しかし、彼は知っている――雲一つない空でも雨が降るということを。

天空を埋め尽くすのは不気味なほどに鮮やかな青色。
その青が何を意味するのか、そしてこの青の先に何が待つのか。
自らを過去に置き去りにする少年の心は、空に囚われ続ける。

そして屋上で一人うな垂れる少年の前に、一人の少女が現れた……

<レビュー>

総合評価: 評価ロゴ

ストーリー:A 絵・演出・BGM:B
・話の展開がいい。キャラの思いがよく描かれている
・後半は回想多めだが、それがよく効いている。
・最後の展開も収まりいい。感動する…
・背景はずっと青空でほとんど固定。左画面のヒロインが表情変える
・演出はほどほど。ヒロインたちはかわいい。タイトル画面なし

〜それぞれのキャラの思いが詰まった、丁寧な感動物語〜

これまた懐かしい感動作品の紹介です。フリーノベルの良いところの一つとして、古い作品でもプログラムとしては単純なのか、10年たっても問題なくプレイできることがあげられますよね。

物語は3年前に自殺した女の子美湖への後悔が残る主人公空の元へ、外見が似ている女の子夢乃が現れるところから始まります。しかし性格が全然違うと…すごい勢いがあってハチャメチャな女の子です。でも私はこの性格大好きなんですよね〜というかハ○ヒっぽい(笑)

主人公は3年前からいまだに立ち直れていない状況なのですが、その夢乃と共にいる間に、忘れようとしていた美湖のことがどんどんあふれ出てきます。後半は(ネタバレになるので控えますが)空と美湖の後悔、そして夢乃の正体などが明らかになっていき、終盤へ。最後はそれぞれの思いがちゃんと収まる感じでラストに向かいます。それに伴って主人公も悲しみを乗り越えて、前に進むようになります。ほんとにみんないい子なのに、すれ違いがあって悲劇が起きてしまっていたわけですが、その思いを丁寧に描いてちゃんとあのラストまで持って行ったのは良かったなあと思います。感動してしまいましたね…ただラスト「Fin」とかなにもなく、タイトル画面もないのでまた最初から始まったのはあれ?って感じでしたが(笑)

一方でシステムとしては今書いた通りタイトル画面がないのはちょっと戸惑いましたね。画面は横長で、絵は左部分に立ち絵が、右部分に文章が表示されます。立ち絵は十分かわいくて表情豊かでしたが、背景がほぼ青空しかないのはちょっと残念でしたね。せめて夕焼けの時はオレンジにするとかできた気はします。

蛇足ですが、この作品だけではないんですが作者サークルさんのホームページが消失してしまっている作品も多いです…なんというか、素晴らしい物語を作成されて紹介ページとかも当時はあって、それが消えてしまうのは本当に悲しいですね…作者さんにも都合があるのでしょうが、なんとか数年に一回更新とかしてくれるとありがたいです。10年前とかの作品でもいまだに更新している作者さんサイトとかを見つけると、なんだかうれしくなってしまいます。

とにかく最初は夢乃の勢いが凄くてなんだこれ?って感じかもしれませんが、後半の物語は必見です。是非プレイしてみてください!